遺産の一部を処分した後に相続放棄できるか

民法では、相続人が以下の行為をした場合、その相続人は単純承認したものとみなされます。

  • 相続財産の全部または一部を処分したとき
  • 限定承認や相続放棄をすることができる3ヵ月の熟慮期間内に限定承認も相続放棄もしなかったとき
  • 限定承認や相続放棄をした後でも相続財産の全部または一部を隠匿し、ひそかに消費し、または悪意で財産目録に記載しなかったとき

このような場合に単純承認したものとみなされるのは、相続人の意思の推定や相続人による相続財産の処分を信頼した第三者の保護を考慮しての規定です。

ただし、相続財産の処分でも、建物の修理などの「保存行為」と「短期の賃貸借」(樹木の栽培または伐採を目的とする山林の賃貸借は10年、その他の土地の賃貸借は5年、建物の賃貸借は3年、動産の賃貸借は6ヵ月を超えない期間)は相続債権者などに損害を与える度合いが小さいので、例外的に単純承認とはならないものとされています。

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