審判離婚とは
離婚調停で夫婦が合意しなければ、通常は調停不成立として終了しますが、家庭裁判所が調停に代わる審判を下して離婚を言い渡すことがあります。これを「審判離婚」といいます。
ただし、この審判離婚はごくまれなケースで、実際には離婚全体の1%にも満たないものです。
審判は、申し立てのあった問題のほとんどが解決しているのに、慰謝料の金額だけが決まらない、病気などの理由で相手が出席できないなど、ごくわずかな理由で調停が成立しない場合に限られます。
家庭裁判所が、合意を目前にしながら調停不成立とするのは双方にとって不適当と判断した場合に、調停委員の意見を聞き、双方の申し立ての趣旨に反しない範囲で、その職権によって離婚を成立させようとするものです。
しかし、審判離婚は裁判の判決とは異なり、簡単に異議を唱えることができます。
審判後2週間以内に、夫婦どちらかが異議申立書を提出するだけで、審判の効力は失われます。異議申し立ては理由を問われることもなく、家庭裁判所に出頭することもなく行うことができます。
しかし実際には、離婚成立まであと少しというところなので、審判に対して異議申し立てがされることは少ないようです。
2週間を過ぎても異議申し立てがされなければ、審判離婚が成立します。その後の手続きは、調停離婚とほとんど同じで離婚届に必要書類を添付して役所に提出します。
審判が下されるケース
- 財産分与や慰謝料の額、親権者の指定など一部に意見の違いがある場合
- 夫婦の感情的な反発が強い場合
- 双方が審判を望んでいる場合
- 早い結論が望ましい場合
- 病気などの理由で一方が調停に出てこない場合
- 一方が意図的に調停を引き伸ばしている場合
- 一方が外国籍で自国に戻る場合