離婚調停で起こりやすいトラブル
相手が調停に応じない
調停では、当事者双方から話を聞くことが義務づけられています。そのため、相手が出頭してこなければ、話を聞くことができないので、調停不成立となります。ただし、無断で欠席することを認めているわけではなく、出頭勧告を出したり、家庭裁判所の調査官が相手方を訪問して説得したりします。
それでも応じなければ5万円以下の罰金を科しますが、それ以上はどうしようもありません。
相手方が拒否している以上、調停を取り下げるか、調停不成立として裁判離婚を検討するしかありません。
調停中に財産を処分されそう
調停中に相手が財産を処分したり、名義を変更したりする心配があれば、調停とは別に保全処分を申し立てましょう。
調停中に夫婦の共有財産を守るには、強制執行力がない「調停前の仮の措置」と、強制執行力がある「調停・審判前の保全処分」があります。
相手に知られないように、調停の申し立てと一緒に「調停前の仮の措置」または「調停・審判前の保全処分」の手続きをするとよいでしょう。なお、保全処分には、担保として保証金の供託が必要で、対象となる財産の評価額の10%程度の費用がかかります。
調停調書の内容が守られない
調停証書には、法的効力がありますので、相手方が慰謝料や養育費などを催促しても支払わない場合は、家庭裁判所に相談して、必要な措置を取ってもらいましょう。
裁判所には、支払いを促す「履行勧告」、期限を決めて支払いを命じる「履行命令」、給料の差し押さえなどを行う「強制執行」の3段階の制度があります。詳しくは、支払いが遅れた場合の対処をご覧ください。